4.電子取引情報の保存

■ 書面による代替保存が廃止
 インターネットショップで購入後Webサイトから入手する領収書等や、電子メールで授受している請求書等のPDFなどを電子取引情報といいます。取引情報を電子データでやり取りする場合は、電子データをプリンタ等で印刷し、書面(紙)で保存することが認められていましたが、改正後は、書面で保存していてもよいが、元の電子データも保存することが求められます。
電子帳簿とスキャナ保存は、任意適用ですが、この電子取引情報については、電子保存が義務付けられます。
この改正は令和4年1月1日から適用される予定でしたが、準備期間が短く対応できない企業が多いため、令和4年度の税制改正で、書面による保存を2年間認める宥恕措置が設けらました。

■ 電子取引情報の保存措置
電子取引情報の保存については、取引年月日や取引金額、取引先についての検索機能を確保し、次の①から④のうち、いずれかの措置を行うこととされています。タイムスタンプの付与はコスト高になることから、③の訂正・削除履歴が残るシステムで保存するか、④の検索機能を有するように保存し、事務処理規程を整備することのいずれかで対応するケースが多いと思われます。

①発行者によるタイムスタンプの付与
②受領者によるタイムスタンプの付与(最長2ヶ月と概ね7日以内に)
③訂正・削除履歴が残る保存システムを活用
④訂正・削除の防止に関する事務処理の規程の整備


■ 
文書保存システムを使用しない場合
電子メールで授受した請求書や見積書等、インターネット上のWebサイトから、ダウンロードで取得する請求書、入金明細等(運賃、電話料金、カード明細など)について、元の電子データに対する保存が義務付けられましたが、文書保存システムを利用しない場合は、検索機能を確保しつつ、概ね次のような対応が考えられます。

(1)保存する場所を決める(フォルダの作成。各従業員からの情報を集約)。
(2)保存するときの文書名の付け方を決める。
文書名に「日付、取引先名、金額、種類など」を入れて、検索可能とする。
(注)文書名の例 … 20211215_㈱霞商店_110,000_請求書
(3)事務処理規程を設ける。

索引簿(サンプル)